カミソリウオの策略カミソリウオの策略今回はこのカミソリウオ。写真をご覧になった方、「海藻じゃないか!」と怒らないでください。これでもれっきとした「魚」です。 そうです、海藻の切れ端に擬態して身を守っているんですね。 しかし、どう見ても海藻ですよね。 写真が悪いせいでもあるのだけれど、もう一枚、同じ個体の目の部分をアップにしたものをご紹介しておきます。 しかし、見事な擬態です。海の中には結構、こんな感じの海藻の切れ端が沈んでいたり、流れていたりするんですが、色といい形といいそっくりです。 表面に汚れというか、カビというか、塩が吹いたり、ペンキがはねたときのような白い模様がついてます。 こんなところまで、海藻の切れ端が持っている特徴をよく捉えています。 外見だけでなく、泳ぎ方まで、ふわふわと潮の流れに身を任せて流れていく海藻そのもの! 見た目がカミソリみたいに薄っぺらいからカミソリウオなんでしょうけど、どう見ても「チギレカイソウウオ」とか「ウミクサキレハシ」とかに改名を薦めたくなる容貌です。 こっちの写真だと、なんだかわからないけど一応生き物だという感じでしょ? ・・・前の日の残りの味噌汁に入っているワカメと、同じような色合いですが・・・・。 写真はないですが緑色の個体もいます。 アマモなどの水中にはえている海藻(正確にはアマモはもともと陸の草らしいですが・・・)は、生きているうちにはちゃんと芝生のようにきれいな緑色です。 そういうのが密生しているところに住むカミソリウオはちゃんと緑色なわけですね。 カミソリウオは泳ぐスピードも速くはないし、トゲや毒や噛み付いたりする攻撃性もないですから、この見事な擬態術だけをたよりに、ずーっと生き残ってきたわけです。 これってすごいことだと思いません?? 会社なんかでも別に仕事ができるわけでもなく、接待上手や特別なコネとかもないのに、なぜかリストラや上司から叱られる対象にもならずに、ずーっと生き延びている人っているでしょう? 「なんであんな目立たない人がこの会社にいるの?」とか陰口たたかれちゃうタイプ。でも、それは大きな間違い! 目立たないということはそれだけで充分な生き残るための個性なんですね。 経理部にいけば経理の色に、総務部に異動になれば総務の色に、きちんきちんと周りに合わせて、自らをアジャストさせる能力を持っているわけです。 決してオコラズ、サワガズ、文句モイワズ・・・ ♪潮の流れに身をまかせ~周りの色に染められ~・・・ カミソリウオも目立たぬ人もそういう、宮沢賢治の詩かテレサ・テンの歌のような地味な生き方をじっと守り続けて、生き残っていくわけなんです。 次は→ふぐは関西人?! ジャンル別一覧
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